善玉菌で風邪を予防できる?
これまでの2回のブログで、痩せるための食事や健康維持のための食事について紹介してきました。
その流れで今回は消費エネルギーを増やすための食事について紹介しようと思っていました。
しかし、沖縄県内でも新型コロナウイルス感染症の流行が明らかになってきているので、少し関連するかもしれない内容の論文を紹介することにします。
“Probiotics for preventing acute upper respiratory tract infections”
急性上気道感染症を予防するためのプロバイオティクス
こちらは、Cochrane Library(コクランライブラリー)という、証拠能力の高い論文を集めて解析しなおし、より証拠能力を高めた論文を掲載するウェブサイトに載っています。(2015年更新)
「急性上気道感染症」の上気道というのは、簡単に言えば鼻から喉までのことで、気管や肺は含みません。つまり急性上気道感染症とはいわゆる風邪のことです。
今回の論文の定義では病原体は限定していませんので、細菌もウイルスも入ります。一般的なコロナウイルスやインフルエンザウイルスも含め、風邪に対して善玉菌(プロバイオティクス)が予防として効果あるのかどうかを調べています。
結果として・・・
善玉菌を摂取したほうが、風邪をひいた人数、風邪の期間、抗生物質が使用された回数、学校の欠席が少なくなりました。
ただ元の論文に証拠能力が弱いものがあり、この結果のエビデンスレベルは低いと判定されています。また研究対象の多くは子供で、スポーツ選手は対象から外されています。
私見ですが、今回の論文は証拠能力が低いとはいえ、善玉菌はヨーグルト等の食品や医薬品として安価に手に入り、副作用もほぼありません。風邪以外に対しても効果がある可能性があります。子供はもちろん、成人も普段から善玉菌を摂取して損はないと思います。
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD006895.pub3/full/ja
で英語の全文と日本語のまとめが読めます。