マスクの風邪予防効果って本当にあるの?

最近、産業医活動中に聞かれたマスクの効果について調べましたので、論文を掲載しておきます。

現在もっともエビデンスレベルの高い、マスクによる風邪の感染予防効果を調べた論文がこちらです。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.01.20049528v1 (英文)
感染者も健常者も双方がマスクをつけると、感染リスクは減少する傾向は見られたものの、明らかな差ではなかったようです。

一方、こちらの論文では、風邪感染者がマスクを着用することでウイルスの排出は減ることが確認されています。
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0843-2 (英文)

風邪の原因となるウイルスには多くの種類がありますが、その感染経路は主に「飛沫感染」と「接触感染」です。マスクの着用により飛沫感染は防げるものの、マスクからの接触感染が増加することで感染予防効果がはっきりと表れなかったことが推測されます。

マスクの使用中、使用後はフィルター部分には触れない。着脱時はゴムの部分を持ち、フィルター表面に触れないようにしてそのまま廃棄する。触れた場合はすぐに手を洗う。など、適切な接触感染対策を行うことで、予防効果を高めることができるでしょう。