体重を落とすときは油ものを控えるのがいいの?
健康診断を受けて体重を落とすように指導された事や、洋服のサイズが合わなくなってきて痩せようと決意した事、主治医に体重を落とすよう言われた事がある人は多くいるのではないでしょうか。
ストレスをやけ酒ややけ食いで紛らわせて太ってしまったり、心療内科・精神科で処方されるお薬の影響もあって太ってしまう事もあると思います。
では、どうやって体重を落とすのがいいのでしょうか。運動しますか?油ものを控えますか?おやつを止めますか?
さて、このときに参考になるのがこれから紹介する研究です。
「Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Diet(低炭水化物食、地中海食および低脂肪食の減量効果の比較)」
I. Shai and Others
N Engl J Med 2008; 359:229-241 DOI: 10.1056/NEJMoa0708681
無作為化対照試験(DIRECT=Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)というメジャーな試験方法で行われた研究です。(Eを入れてDIRECTと略したのは無理やり感が・・・。)
以下、内容を簡単にまとめます。
中年の肥満者を「低脂肪食」「地中海食」「低炭水化物食」の3群にランダムに分けて2年間続けて比較。
その結果、「地中海食」「低炭水化物食」群のほうが「低脂肪食」群より痩せた。HDLコレステロール(善玉)は低炭水化物食群で低脂肪食群より増え、中性脂肪(トリグリセライド)は地中海食群・低炭水化物食群で低脂肪食群より減った。空腹時血糖については糖尿病がある人でみると地中海食群が低脂肪食群より改善していた。
以上より、体重を落とすとき、ただ油ものを控えるよりは、脂質異常症(高脂血症)のある人は「低炭水化物食」で、糖尿病の人は「地中海食」でのダイエットがオススメです。
本当は運動も併用するといいのですが、またその研究は別の機会に紹介します。
なお、原文も日本語訳もインターネットで検索すると出てきますので、具体的にどんな食事内容だったのかはそちらを参照して下さい。